2010年5月16日日曜日

土壁との格闘

NPO法人 町なみ屋なみ研究所

5/15篠山市で古民家再生作業に参加。
連続行事でへろへろなので
本日は火バサミでも持って庭のゴミ拾いでもして
ラクしましょ・・・・
と思いつつ行ったら
つい、なぜか左官仕事をすることに・・・・なぜ?

土壁塗りはやっては見たかったのですが
高度すぎ。難しすぎ。
かつ人気が高い作業なので人数が多いと希望者殺到。
なので遠慮もあってしていなかったんですねえ・・・・
本日、人数少なめであまり目立たない処の
中塗りをさせてもらえるとのことで参戦決意。
・・・・・やり始めて激しく後悔・・・・

土ですよ?それを鏝で垂直の壁に塗るんですよ?
ありえませんがな・・・・鏝持ったの初めてだし・・・

私の担当の壁は下地がコンパネ。
表面に薄く接着剤を塗りそこに土を載せていきます・・・
接着剤を介在させているとは言え
板の表面に土を塗るなんて・・・???
でも、素人は下がまっ平らな板のほうがまだ塗れるそうです。
そうだよなあ・・・本来、竹とかで編んだ凸凹の上に塗るんですよね。
・・・・
土と格闘。
「塗る」とは言いますが「塗る」より「押し込める」と言う感じでしょうか。
とにかく土が板に吸い付いて留まってくれるように
全身の力で面に押し込めます。
手先だけでいじると文字通り「こてさき」仕事になって
土が崩壊していきます。


明るい処の壁は
本日、初参加のとび職さんの作品。
私の担当は
床の間の側壁2面。
良かった・・・暗い目立たない処をいじっていて・・・

「ま・・・中塗りだし・・・土がはがれん程度に出来ていたら
あとは上塗りでなんとかしてくれるだろう・・・・」
と考えていたが甘い!
凹凸の無い綺麗な中塗りがなされていないと
上に響きます!
午後から左官職人さんに
びしばし修正して頂きました。

ボードをポン、と立てるのが
いかに楽か痛感。
土壁はその面全体が生き物のような存在で
厚く塗ればだれる
一箇所を押すと意外な処が出る・・・
扱えません・・・


表ではセミプロさま方の
細かくも清清しい作業がなされていました。
何度も書きますが
「目立たない処の壁で良かった・・・(大汗)」

土壁に興味を持ち
職人を志す若い世代も出てきているそうです。
でも、石から土を作る工場が
採算性の面から
次々廃業してしまい
技術を伝えたくとも
まず材料が無い、という
厳しい事態になっているそうです。

初参加のとび職さんに少し話を聞きました。
彼は高層マンションの建築現場で
延々と働いていて
「パネルを組み合わせるだけ」
みたいな作業の連続に
疲れ果てた結果
「土」に興味を持った様です。
気持ちは分かるような気がしました。

慣れない・・・と言うか
人生でありえない作業で
全身のダメージ大。
楽する構想はどうしたんだ、私・・・・



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